菜々子 - NANAKO

目の前の相手に全て集中すること、全集中ですね。まずは目の前の貴方をよく観察して、深く知ることに全力を注ぎたい。

良い関係性を一度会っただけで築くのは難しいもの。刹那的な出会いも素敵だけれど、長い時間をかけて、少しずつ貴方の事を知れたら、お互いに快楽を高め合える素敵なパートナーになると思うの。

SMは一人では成立しないもの。相手のペースを見ないで、上辺だけ、形だけのプレイになってしまっては、楽しい時間は過ごせません。お互い精神的に満足できるような、貴方と息の合ったプレイを二人で作り上げていきたいと思っています。

 三島由紀夫の仮面の告白。 

主人公が異性愛と合一出来ず葛藤する姿は、普通の男女の性の営みと交わることが出来ずSMに傾倒する私の姿と重なる。 主人公は「扮装」という手段によって合一出来ないものに近づこうとするが、それは逆説的にも扮装の内側にある主人公の特異性を際立たせ、己を外界から遠ざけることとなる。

 病弱な自分と真逆の生命力に溢れる同性に魅力を感じ、自分もそうなろうとするが、憧れと同時に嫉妬心を抱き自身への憎悪から次第に対象と距離を置くようになる。

 二面性を持つのは私も同じだ。社会や大切な人との繋がりを求め「普通」であろうとすることは、逆説的にストレスとなり、時に頭痛や心労という形で現れ、私自身を苦しめる。 社会的な姿に擬態化した自分でいる事が、自分が異質な存在であるという事実を自らに強く突きつけ、周りと断絶させる。 それでも、社会や大切な人達との繋がりを求めてしまうのは、孤独を恐れるからだろう。

 都会の片隅で素性の知れない特異な人間達がひっそりと肩を寄せ合い痛みを分かち合う。 擬態でいなくてもいい。普通ではない私という存在を認め、有りの儘の姿でいる事を許してくれる。 私は異質な人間達に救われている。

日常の中に非日常が溶け込んでいるのに興奮するので、公園や学校の校庭が理想のダンジョンです。ダンジョンのイメージとは少し離れてるかしら？子供たちが遊ぶ場所、何気ない日常の風景ですものね。

例えば公園や校庭にある、ジャングルジムや雲梯、登り棒に麻縄で縛り付けて拘束してみたいです。そこだけコラージュ写真のような、現実から切り離された異質な風景になるでしょ？

想像するととても興奮します。その眺めを写真に撮って残すことができたら、素敵ですね。想像するだけでうっとりします。 シーソーの下側に奴隷を縛り付けて、私が反対側に乗って地面にぶつかるかぶつからないかをコントロールするのもまた一興ですね。地面にスレスレの所で止めてあげるから、怯える顔を見て楽しませてもらうわ。上側に縛り付けて貴方の顔の上に乗ってシーソーをするのも楽しそうじゃない？

貴方のその縛られた姿を子供たちが見たらどう思うでしょうね？一通り楽しんだ後でも、貴方はしばらく縛られたままですよ。早く解いて欲しいと私に懇願する貴方の姿を、少し離れた所からゆっくりと眺めていたいの。 でも安心してね。誰にも晒したりしないから。貴方の羞恥は私だけが握っていたいもの。

私にとってのハードプレイ、何でしょうね。

短いセッション経験の中でハードだと感じたのは、ぐちゃぐちゃのシュークリームが浮かんだ便器の水にマゾの頭を抑え込んで呼吸管理したことかな。初めて黄金をマゾの口の中にして、食べさせたのもハードだったな。 

自分が責めている最中にはハードだと思うことはないけど、セッションが終わって昂った気持ちが落ち着くと、ハードなことをしていたなと冷静に思います。

何故人はハードプレイを求めるのでしょう。在り来りなプレイに飽きてしまって刺激が足りないから？自分はもっと凄いことが出来るんだと身体と心の可能性を試したいから？ もっと強い痛みが欲しい、もっと厳しい苦しみが欲しい、もっと深い快楽が欲しい？

ハードプレイを求めてしまった貴方は、現状に渇きや虚しさを抱えているということでしょう。渇きを埋めるためによりハードな事を経験してしまえば、もっと強い渇きを感じる。この皮肉から逃れることは出来ません。

SMの世界から脚を洗うことが出来ない、中毒性があることって傍から見たら気の毒でハードなことではないでしょうか。 貴方の残りの人生がハードでありますように。

私は貴方の一生埋まらない穴を埋め続けますよ。 人生愉しんだ者勝ちでしょう。

緊急事態宣言も解除され、東京の感染者数も落ち着いて来ましたね。少しずつ日常を取り戻していることに安心し、心に余裕が出てきました。

実は私は8月にコロナウイルスに感染してしまい、入院していました。その経験から感じたことは、免疫力を高めるのってすごく大事ということ。 免疫力を高めるためには、腸内環境を整える事が大事です。野菜を食べて酵素を取る。ヨーグルトやキムチ、味噌などの発酵食品には乳酸菌が含まれていて、腸内で善玉菌が作られるのを助けます。 そして、ビタミンDは身体の免疫機能の働きを正常化する作用があります。ビタミンDが不足すると、サイトカインストームといって免疫系が暴走し、身体の正常な細胞を破壊してしまうそうです。ビタミンCとDは積極的に取りましょう。

コロナウイルスに感染してからは、食生活に気をつけたり、基礎体温を高めるために走ったり筋トレしたり、運動をしています。とても気持ちいいですよ。 健康じゃなければSMもできません。身体の弱っている貴方にハードなプレイなんて出来ませんからね。一緒に楽しむためにも、免疫力を高めて健康でいてくださいね。 暗く長いトンネルの出口ももうすぐです。日常を取り戻したら、私と一緒に非日常を楽しみましょう。

テーマソングというと壮大な気がしますので、今回は私の好きな曲をご紹介しますね。中島美嘉で「僕が死のうと思ったのは」 です。 THE FIRST TAKEでも最近公開されました。

https://youtu.be/AabAbM_Lmuo

カラオケでこの曲を歌うと、歌い出しが「僕が死のうと思ったのは… 」で始まるので、毎回周りにびっくりされるのですが、私はこの曲が好きなので、周囲がざわつくのを承知の上で歌います。

僕が死のうと思ったのは 冷たい人と言われたから
愛されたいと泣いているのは 人の温もりを知ってしまったから
僕が死のうと思ったのは あなたが綺麗に笑うから
死ぬことばかり考えてしまうのは きっと生きる事に真面目すぎるから

あれこれ考えて疲れてしまったり、他人のエネルギーを吸いとる人に疲れてしまったり。生きづらさを感じるのは、誰のせいでもない、僕が真面目だからだった。死ぬ前にそう気づけたのは、最後の救いだと思う。 死のうと思った誰かのために、救える誰かがいてくれる世界であって欲しい。

少し疲れた時や、生きづらさを感じた時に聴いてみてください。 死のうと思った僕を揶揄するでもなく、美しい日本語のストレートな歌詞と、ピアノの優しいメロディが胸にジーンと響きます。中島美嘉さんの前向きな力強い歌声に、救われます。

THE FIRST TAKEで歌う中島美嘉さんの横顔があまりにも美しくて、見とれてしまいました。

19世紀前半のフランスです。 John Galliano Fall Winter 2007-2008のコレクションを子供の頃にテレビで見ました。 19世紀前半のパリ、娼婦からインスピレーションを得た彼は、退廃的でゴージャス、ロマンティックな作品世界を生み出しました。

濡れた髪に、血のような赤いドレスを纏いパリジェンヌに扮したモデル。白く塗られた肌に赤いアイシャドウが大きく乗せられ、印象付けられた目元。ボルドーのリップが小さな唇の輪郭を優雅にくっきりと縁取る。 赤いドレスから淡いレース、そして黒のドレスへとモデル達のファッションが変わる。

鶏舎に入れられた鶏、鹿の頭、ペルシャ絨毯、売春宿のソファ、真鍮のベッド。エキセントリックな退廃美で彩られたステージには、男達もいる。 上流階級の紳士や船乗り達が下心のある目で追いかけるのを弄ぶように、優雅に軽やかに夜の街に溶け込んでゆくパリジェンヌ達。 驕奢で淫蕩な娼婦をモチーフにした退廃的で美しいコレクションが今でも忘れられません。

19世紀のパリに建てられたメゾン・クローズといえば、娼婦を囲む秘密の家でした。外観からはどんな場所か分からず、番地でしか特定することが出来ない隠された館。 そこに私は娼婦のフリをして入り込み、夜な夜な女を買いに来た下心丸出しの男達を鞭で調教したり嫐り倒したり。娼婦の中に女王様がいたら、さぞ驚くでしょうね。ペニバンを付けて逆に男を犯すのも、とても楽しそう。

男達を調教したら、メゾン・クローズを娼夫の館に変えて、性奴隷を飼う美しい女性達のための遊び場にしてみたいですね。

後悔というより、反省したことはいくつかあります。例えば、ベビードミナになりたての頃のセッションでは、マゾの足の指にカラビナを落としてしまったり、陰毛を剃るときに剃刀で皮膚を切って血を流してしまったことがあります。幸い足に怪我はなく、流血も少量でしたので大事には至りませんでした。拷問してくださいと言われたのですが、意図しない拷問になってしまい、私が緊張していたから、マゾのことをケアする余裕がなかったのだと思います。私に身を委ねてくれていたのに、申し訳ないことをしてしまったなと反省しています。

今セッションをやり直したらこのような緊張からの失敗は回避できると思います。

セッション後にマゾから「もっと厳しくして欲しかったです」と言われたり、逆に私がハードな事をしすぎてしまい、来なくなってしまったのかな、と思うこともあります。初めての方とのセッションでは加減が分からずどうしても慎重になってしまい、セッション後にあの時こうしていればと一瞬思うこともあるのですが、これは後悔とは少し違う気がします。何故なら、セッション後に「もっと厳しくして欲しかったです」と言われるのは結果論でしかなく、「あのときこうしていれば」と思っても、その時の自分がそうしたのだから、きっと過去に戻っても同じ選択や行動をすると思うからです。

今は自分のセッションに少しずつ自信を持てるようになり、以前よりは恐る恐るというよりも相手の様子を見ながら思い切りプレイできるようになったと思いますが、元々慎重な性格であることは変わらないので、プレイに出る人間性は大きく変わらないと思います。ですが、コミュニケーションとは何かを最近よく考えるようになりました。

セッションする前のお話する時間で、どんな願望をお持ちなのか詳細に知ることが出来れば良いのですが、あまりお話してくださらない方もいますし、緊張してコミュニケーションが上手く取れない場合もあります。自分の本当の願望が何なのかはっきりとは分からないけど、モヤモヤとした何かを抱えて来てくださる方もいます。

セッションを進めていく中で、マゾの抱く妄想に私が近づける、更にお互いのプレイの相性が良いのが理想です。

「後悔しています」と言うのは簡単ですし都合の良い言葉なので、あまり好きではありません。 私はやらなかった後悔よりも、やってしまった後悔を糧にできるようなセッションを重ねていきたいと思います。

藤原竜也と渡辺直美を酒池肉林パーティーに招待して、裸で酒の池を泳がせたり、干し肉をぶら下げた木々の間を虎に追いかけさせたりしたい。蠆盆（たいぼん）という毒を持った蛇やサソリが大量に蠢く穴の上を綱渡りさせたい。炮烙（ほうらく）という炎で熱した銅製の柱に押し付けて灼いてやりたい。

殷王朝を滅亡へと導いた絶世の美女妲己は残虐非道な事が大好きで紂王を誑かし国を滅ぼした。私も妲己のように酒池肉林、蠆盆、炮烙で人を人とも扱わないような酷い事をしてお酒を飲みながら笑っていたいの。

何で藤原竜也と渡辺直美かと言うと、二人が好きだし尊敬しているから。藤原竜也はカイジのイメージが強いし、炮烙と焼き土下座って似てるし、拷問が似合うのよね。渡辺直美の豊満な身体はエロスに溢れていて美しいから、サディスティックな欲望を満たしたくなる。

ところで、私は有名人にはあまり興味がないの。この二人も悩みに悩んだ末に絞り出した有名人達で、今回のリレーコラムのテーマはすごく悩んだ。遠くの有名人よりも逢いに来てくれるお前達マゾが好き。

現実のセッションで酒池肉林は出来そうだけど、蠆盆と炮烙を実現する方法はないものかしら。野生の蛇とサソリを捕まえるのは難しいよね。合法な毒（？）って何かあるかしら。炮烙は焼きごてか巻き髪用のコテでプレイ出来そう。熱した金属の棒をお前の柔肌に押し付けて火傷させても、大丈夫よね、死なないでしょう？

お前の血が滴り落ちて肉が灼けるのをセッションで見せて愉しませてね。